インドネシア主要事件(2018年4月1日~7日)
HEADLINES
1.西パプア地方で分離独立勢力と軍が衝突
2.スマトラ島北部で麻薬シンジケート摘発
1. 西パプア地方で分離独立勢力と軍が衝突
2018年4月3日(火)、パプア州のグラスバーグ銅山(Grasberg copper mine)付近で、分離独立主義者と治安部隊が衝突し、政府側1人、分離独立勢力側2人が死亡した。
衝突は4月1日(日)頃に始まり、インドネシア政府側は「犯罪的な分離独立主義者によって支配された村を奪還する」ためであると軍事行動の目的を説明している。
また、4月4日(水)には西パプアのジャヤプラ(Jayapura)にあるセンデラワシ大学(University of Cenderawasih)で、学生活動家44人が治安部隊に逮捕された。
逮捕事由は、4月5日(木)に西パプアの独立宣言又はそれに関するイベントを計画する文書が、寄宿舎などから発見されたためである。
人権団体は、「叛乱に関する容疑」という名目による逮捕は、権限の濫用であると非難を強めている。
44人のうち42人は、4月7日(土)までに釈放されたものの、2人に対しては、バイクの盗難やマリファナ所持、ラップトップの大量保有などで拘留が続けられている。
西パプア地方では、現在も少なくとも6の集落が分離独立主義者の支配下にある。
2. スマトラ島北部で麻薬シンジケート摘発続く
北スマトラ州とアチェ州で、麻薬シンジケートの一斉摘発が行われた。
4月2日(月)にインドネシアの規制当局(BNN)が明らかにしたところによると、摘発によって関係者1人が射殺、7人が拘束された。
射殺された1人は、アチェ州の取引人であり、逮捕に抵抗したためであった。
摘発により、覚醒剤メタンフェタミン45kgなどが押収された。
スマトラ島では麻薬シンジケートについて、規制当局が集中的な対策を試みている。
2000年代前半まで続いた「アチェ独立紛争」では、同島が麻薬取引の拠点となり、分離独立の資金源となっていたことも関係している。