前途無難

安全保障関係の記事・東南アジアのテロ情勢など

タイ主要事件(2018年4月22日~28日)

HEADLINES
1. 北部で少数民族グループの指導者襲撃
2. カンボジア野党指導者をテロ容疑によりバンコクで拘束
3. パッタヤーの猥褻イベントに参加した外国人観光客25人逮捕

 

1. 北部で少数民族グループの指導者襲撃

 北部のチェンライ県で、少数民族グループの指導者が襲撃される事件が起きた。

 4月24日(火)、チェンライ県ウィアンカエーン(Wiang Kaen)で、モン・クラブ(Hmong Club)の議長の男性が乗った車が、銃で武装した集団に襲撃された。
議長の男性は、所有するコーヒー農園を家族で訪れた帰りに山間部で襲われており、計画的犯行と推測されている。
男性とその息子は重体であり、車に同乗していた妻と娘は死亡した。

 議長の車はトヨタ製のピックアップで、おびただしい銃弾の後が残されていた。
襲撃犯は少なくとも2人、AK-47とショットガンで撃ったと推測されている。
動機などはわかっていないが、ビジネス上の争いまたは暗殺と見られており、麻薬がらみとの報道もある。

 モン・クラブとは、北部に居住する少数民族(中国南部のミャオ族系)の権利を主張する団体で、文化教育などを行っている。

 

2. カンボジア野党指導者をテロ容疑によりバンコクで拘束

 4月26日(木)、バンコクの入国管理局で、カンボジア野党「クメール民族自由戦線」(KNLF)のサム・シレイ(Sam Serey)党首の身柄が拘束された。
シレイ党首はタイのビザ延長を申請しようとしていたところであった。

 KNLFは、プノンペン中心部で爆弾テロを計画したとして、カンボジアのフン・セン首相から糾弾されており、さっそく身柄引き渡し要求がなされている。
シレイ党首自身は、すでに2016年にカンボジアでテロ攻撃を計画したとの容疑で禁固9年(ただし本人は裁判に欠席)が科されており、タイ政府が身柄を引き渡すかどうかが注目される。
一方、人権NGOなどはサム・シレイ氏の引き渡し要請はそもそも政治的な動機付けによるものであり、権利蹂躙であると批判している。

(追記)シレイ党首はその後、亡命先のデンマークへと「無事に」送還された。

 

3. パッタヤーの猥褻なイベントに参加した外国人観光客25人逮捕

 4月21日(土)、パッタヤーのバン・チューリップ・ホテルで、猥褻なパーティを開いていた外国人観光客25人が拘束された。
拘束されたのは男性14人、女性11人で、シンガポール、米国、カナダ、中国、マレーシア、ドイツ、カンボジア、インド、ウクライナの国籍者が含まれていた。
違法な性的行為にかかわる勧誘が行われたとみられている。