前途無難

安全保障関係の記事・東南アジアのテロ情勢など

タイ主要事件(2018年4月15日~21日)

HEADLINES
1. 深南部で銃撃テロ事件
2. ISIL関係者2人をタイ国内で拘束
3. ソンクラーン(水かけ祭り)期間の死亡事故は3500件超
4. 国内線で爆発物騒ぎ

 

1. 深南部で銃撃テロ事件

 タイ深南部では、先週に引き続き、今週も銃撃によるテロが発生した。

 4月16日(月)、パッターニー県コックポー(Khok Pho)で、自警団の男性を乗せた車が武装した集団に襲われた。
車のドライバーら2人が死亡し、自警団の男性1人が負傷した。

 タイ深南部では前週も、ナラーティワート県ならびにパッターニー県で、武装勢力による連続爆弾テロや襲撃事件が相次ぎ、少なくとも4人が死亡(うち武装勢力2人)、16人が負傷(うち武装勢力3人)している。


2. ISIL関係者2人をタイ国内で拘束

 4月18日(水)、タイ国内で、「イスラーム国」(ISIL)と関係がある2人が逮捕されたことを、プラウィット副首相(兼国防相)が明らかにした。
拘束された1人は、タイ南部のナラーティワート県チョアイローン(Cho Airong)出身で、 ISIL関係者としてマレーシア政府から指名手配されていた。
副首相は、拘束された男性がどこで、いつ逮捕されたかなどの詳細は明らかにしなかった。

 タイ深南部は、陸路伝いにマレーシアなどにイスラーム過激派が侵入するルートとして利用されていることが知られている。
移動先と目されるマレーシアでは先月(2018年3月)、ISIL関係者6人が拘束されるなど、摘発が続いている。
現時点ではタイ国内でのISILの活動は抑えられた状況が続いているが、上記のようにテロ事件とは無関係の地域ではないことに、留意しておくべきだろう。

 

3. ソンクラーン期間の死亡事故は3500件超

 タイの旧正月を祝う「ソンクラーン」(水かけ祭り)による交通事故は、3500件超であったことが明らかになった。
タイ内務省によると、ソンクラーンの期間1週間(4月11日から17日)で、交通事故は3724件発生し、418人が死亡した。
これは、昨年の死者数(390人)を28人上回った。

 タイは、2015年に死亡事故の発生率が世界第2位という「不名誉」に浴しており、交通事故には常に留意すべきだが、なかでもソンクラーンなどの催事期間に集中する。
事故の主な要因はスピード超過で、飲酒運転がこれに続く。

 

4. 国内線で爆発物騒ぎ

 2018年4月20日(金)、北東部のルーイ県からバンコクへ向かうノーク航空DD9705便で、「爆弾をしかけた」と離陸前に機内で騒いだドイツ人男性1人が逮捕された。
DD9705便は当時、乗客乗員合わせ88人を乗せていたが、男性の身柄を拘束・引き渡したのちに運航を再開した。
警察は爆弾が実際に存在していたか否かを明らかにしていない。