前途無難

安全保障関係の記事・東南アジアのテロ情勢など

タイ南部で爆弾41発押収

ナラーティワート県で爆弾41発押収
少数民族による武装闘争が続くタイ深南部で、マレーシアから持ち込まれたと見られる爆弾41発が押収される事件が起きた。
爆弾は、6月21日(木)にナラーティワート県タクバイ(Takbai)にある検問所で、1台のピックアップトラックから見つかった。運転手の39歳の男性が逮捕され、爆弾は警察により押収された。
押収されたのは、ポリ塩化ビニルのパイプなどを使用した簡易な装置(即席起爆装置:IED)。
これらとともに起爆用と見られるタイマーと通信装置が発見された。

運んでいた車両は、マレーシアとの国境からナラーティワート県ランゲット(Ranget)方面に向かっており、部品の一部や製造元などはマレーシアと指摘されている。
逮捕された男性は「運び人」に過ぎず、背後関係があるとみて警察は捜査を行っている*1。

 

武装勢力幹部を治安部隊が射殺
周辺地域では、その前日にも治安部隊と武装勢力の銃撃事件が起きた。

6月20日(水)、パッターニー県カップホー(Kapho)で、反政府勢力幹部の男性が治安部隊との銃撃戦により殺害された。
殺害されたのはナラーティワート県で活動する反政府層組織の幹部スライマーン・ムハマ(Sulaiman Muhama)で、「ポルス」(Porsu)と呼ばれていた。
同日午前9時ごろ、ムハマ容疑者がカップホーの拠点にいることを突き止めた治安部隊が家屋を包囲、ムハマ容疑者が銃撃を開始したため、治安部隊は応戦・射殺した。
また、拠点として利用されていた家屋の所有者2人も関係者として逮捕された*2。

深南部では、先月も連続爆弾テロ事件が発生しており、今回の大量押収事件も同様の目的と見られる。他方、「どこで」使用する予定だったのかはっきりしておらず、大都市部を狙った可能性もある。

 

*1  FMT News, 22 June 2018, Bombs recovered in Thailand made in Malaysia?, http://www.freemalaysiatoday.com/category/nation/2018/06/22/bombs-recovered-in-thailand-made-in-malaysia/

*2  Bangkok Post, 20 June 2018, Insurgent group leader killed in fight with troops, https://www.bangkokpost.com/news/security/1489058/insurgent-group-leader-killed-in-fight-with-troops