前途無難

安全保障関係の記事・東南アジアのテロ情勢など

インドネシア主要事件(2018年4月15日~21日)

HEADLINES
1. 密造酒死亡事件の容疑者拘束
2. 中ジャワ州の地震で死傷者
3. 新たなロヒンギャ難民船が漂着

 

1. 密造酒死亡事件の容疑者拘束

 4月上旬からジャワ島各地で発生していた密造酒による死亡事件について、2018年4月18日(水)、密造の中心人物の男性が逮捕された。
男性は西ジャワ州チカレンガ(Cicalengka)で密造を行っていたが、南スマトラ州の農園に潜伏しているところを逮捕された。

 密造酒による死亡事件は4月4日(水)頃に明らかになり、西ジャワ州ジャカルタを中心にこれを飲んだとみられる、少なくとも45人、最大で100人以上が死亡した。
問題となっている密造酒は、小さなプラスティックボトル入りで、25,000ルピア(1.8USドル)で販売されていた。
死因は、混入したメチルアルコールであることも明らかになった。

 イスラーム教徒が多数を占めるインドネシアでは、税率や規制の問題で合法なアルコール飲料が高額である。
そのため、安価な密造酒が非正規に流通しており、これらの多くはいわゆる「ブラックマーケット」の資金源となっていると言われる。
ただし、今回のように大規模な死者が出るケースは珍しく、そのために警察が総力を挙げての摘発となった。


2. 中ジャワ州の地震で死傷者

 2018年4月18日(水)、中ジャワ州ケブメン(Kebumen)近辺で地震規模M4.4の地震が発生した。
この地震により、3人が死亡、21人が入院を要するけがを負った。
また、家屋300軒ほどが被害に遭い、約2100人が避難所に収容された。

 死亡者3人のうち2人は高齢者、1人は13歳の少年で、建物の倒壊に巻き込まれた。

 これとは別に、4月16日(月)には北マルク州テルナテの北西85kmの海上で、地震規模M5.9の地震が発生した。こちらは、被害ならびに津波の報告はない。

 

3. 新たなロヒンギャ難民船が漂着

 2018年4月20日(金)、スマトラ島北端のアチェ州ビルーエン(Bireuen)沖で、ロヒンギャ難民76人(男性43人・女性25人・子供8人)を乗せた木製ボートが漂流しているのを周辺の漁業従事者が発見し、救助した。
どこから、何日間かかって移動したかなどの詳細は分かっていない。

 同海域では4月6日(金)にもロヒンギャの難民船が救助されており、その際には5人が死亡していた。

 ロヒンギャ難民問題をめぐっては、ミャンマー政府とバングラデシュ政府、国連を中心に帰還計画が進められているが、現時点では順調に進んでいるとは言えない。
一方、モンスーンによる豪雨で、住宅崩壊や難民キャンプ崩壊などの危険が迫っているとも報じられており、状況によってはこうした難民が増える可能性も考えられる。